2025.06.28
膵ぞうがんって?
🌟膵臓がんってどんな病気?
膵臓がんは「膵臓(すいぞう)」という臓器にできるがんです。
膵臓は、胃のうしろ側にあって、長細い形をしています。ここには大きく2つの役割があります。
- 食べ物を消化するための「膵液(すいえき)」を作る。
- 血糖値(けっとうち)を調整する「インスリン」などのホルモンを出す。
この大切な臓器にがんができると、体のバランスが大きく崩れてしまいます。しかも、膵臓がんは見つけにくく、進行がとても早いという特徴があります。
🌟どんな症状があるの?
膵臓がんのいちばんの怖さは、「初期にはほとんど症状が出ないこと」です。
そのため、気づいたときには癌(がん)がかなり大きくなっていることが多いです。
主な症状は次のとおりです👇
1.お腹や背中の痛み
- みぞおちや背中の真ん中が、ずっと重く痛む。
- 腰痛かな?と思われがちですが、実は膵がんのサインの場合もあります。
2.急な体重の減少・食欲の低下
- 普段通りに生活しているのに急に体重が落ちる。
- 食べたくない、すぐお腹いっぱいになるなど
3.黄疸(おうだん)
- 肌や白目が黄色くなる
- おしっこが「濃い茶色」になる
- うんちが「白っぽい色」になる
これは膵臓の近くを通る「胆管(たんかん)」ががんでつまることによって起こります。
4.糖尿病の悪化・突然の発症
- 膵臓の働きが悪くなって、インスリンが出にくくなると、血糖値が上がります
- それによって、糖尿病がひどくなることもあります。
★糖尿病が急に悪化した場合は膵癌のチェックが必要です。
5.吐き気や胃の不快感
- 食後に胃がもたれたり、ムカムカしたりすることがあります
- 消化がうまくいっていないサインです
🌟どうやって見つけるの?(検査)
膵がんは早く見つけるのがむずかしい病気ですが、いくつかの検査を組み合わせることで発見できます。
①血液検査
- 血液検査(腫瘍マーカー)
- 血液に「がんがあると増える物質」がないか調べます。
- 膵がんでは「CA19-9」や「CEA」という値を見ます。
※ただし、これだけで確定はできません。
② 画像検査
膵臓は体の奥にあるので、目では見えません。
そこで、体の中を写す検査をします。
- CT検査:体の断面をX線で撮影する。
- MRI検査:磁石を使って体の中の状態を見る。
- 超音波(エコー)検査:お腹に機械を当てて、音の反射で調べる。
- 内視鏡的超音波(EUS):内視鏡(胃カメラ)を口から挿入し、胃の中からエコーを当てて膵臓を調べる。
③ 生検(せいけん)
- がんがありそうな部分から、少しだけ細胞や組織をとって、がんかどうかを調べます
- とても正確な診断方法です。
🌟なぜ膵がんは早く見つからないの?
- 初期症状がほとんどない
- 膵臓が体の深い場所にあって検査しづらい
- 他の病気とまちがいやすい(腰痛、胃の不調など)
そのため、多くの人はがんがかなり進んでから気づくことが多いです。
🌟どんな人がなりやすいの?
以下のような人は、膵がんのリスクが高いといわれています。
- 家族に膵臓がんの方がいらっしゃる方
- 膵のう胞を持っている方
- すい臓に関する画像異常を指摘されたことがある方
- 糖尿病の方
- 飲酒量が多い方、喫煙をしている方
- 肥満の方
- 慢性膵炎の方
- すい臓に関する血液検査に異常を指摘された方
こういった人は、年に1~2度の膵臓の検査を受けると安心です。
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