膵臓がんは「進行が早い」のか?「見つかりにくい」のか?

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2026.02.21

膵臓がんは「進行が早い」のか?「見つかりにくい」のか?

膵臓がんは「進行が早いがん」とよく言われます。

しかし実際には、単に成長が速いだけでなく、見つかりにくさと広がりやすい性質の両方が関係しています。そのため、発見された時にはすでに進行しているケースが多く、「進行が早い」という印象につながっています。
今回は、膵臓がんがなぜそのように言われるのかを、わかりやすく解説します。


膵臓がんが見つかりにくい理由

膵臓は胃のうしろ側にある、体の奥深い位置の臓器です。肝臓や胃のように体表から触れることができないため、外から異常に気づくことがほとんどありません。
さらに膵臓がんは、初期の段階ではほとんど症状が出ないことが特徴です。
多くのがんでは、しこり・出血・強い痛みなどが早い段階から現れることがあります。しかし膵臓がんは、かなり大きくなるまで自覚症状が乏しい場合が少なくありません。
また、健康診断でも見つけにくいがんです。一般的な血液検査や胸部レントゲンでは異常が出ないことが多く、腹部エコーでも腸のガスや臓器の重なりの影響で膵臓全体がはっきり見えないことがあります。
その結果、症状が出て検査を受けた時には、すでに進行していたというケースが多くなります。


膵臓がんが進行しやすい理由

膵臓がんは見つかりにくいだけでなく、周囲へ広がりやすい性質もあります。
膵臓の周囲には、重要な血管やリンパ管、神経が密集しています。がん細胞はこれらの通り道を利用して周囲へ広がりやすく、比較的早い段階で近くの臓器やリンパ節へ及ぶことがあります。
また膵臓がんは、境界がはっきりした「かたまり」を作るというより、周囲の組織にしみ込むように広がる(浸潤する)タイプが多いのも特徴です。そのため画像上では小さく見えても、実際には周囲へ広がっていることがあります。
このような性質が、手術で取り切ることを難しくする一因にもなっています。


「進行が早い」と言われる本当の意味

膵臓がんが「進行が早い」と言われる背景には、
・初期症状がほとんどない
・体の奥にあり検査で見つけにくい
・周囲へ広がりやすい構造にある
・しみ込むように広がる性質がある
といった複数の要因があります。

つまり、実際に急激に大きくなるという側面もありますが、それ以上に気づかれないまま時間が経ちやすいことが大きいのです。
その結果、「見つかった時には進んでいる=進行が早いがん」という印象になっています。


早期発見の手がかりになる症状

膵臓がんは無症状が多いとはいえ、いくつか注意すべき変化があります。
・原因不明の体重減少
・食欲低下
・背中やみぞおちの鈍い痛み
・急に糖尿病が悪化した、または発症した
・皮膚や白目が黄色くなる(黄疸)

特に、これまで安定していた血糖値が急に悪化した場合や、原因がはっきりしない体重減少が続く場合は、膵臓の病気が隠れている可能性があります。
こうした変化を「年齢のせい」「疲れのせい」と自己判断せず、医療機関で相談することが大切です。


リスクが高い方は定期的な検査をお勧めします。

次のような方は、膵臓がんのリスクがやや高いとされています。
・家族に膵臓がんの方がいる
・慢性膵炎がある
・糖尿病がある
・長年の喫煙歴がある
・肥満傾向がある

このような方では、腹部エコーやCTなどの画像検査を医師と相談しながら定期的に行うことで、早期発見につながる可能性があります。


早期発見に有用な検査:EUSとMRCP

腹部エコーやCTでは膵臓の一部が見えにくいことがあり、より精密な検査として**超音波内視鏡検査(EUS:Endoscopic Ultrasonography)とMRCP(磁気共鳴胆管膵管造影)**が注目されています。

**超音波内視鏡検査(EUS)**は、内視鏡の先端に超音波装置を取り付けた検査です。胃や十二指腸の内側から膵臓に超音波を当てるため、体の外側から行う腹部エコーに比べて膵臓までの距離が非常に近く、腸のガスの影響も受けません。そのため、数ミリ単位の小さな病変も発見できることが大きな特徴です。通常の腹部エコーやCTでは見つかりにくい早期の膵臓がんや膵臓の嚢胞(のうほう)性病変なども、EUSであれば検出できる可能性があります。

MRCPは、MRI(磁気共鳴画像)を用いて膵管や胆管を詳しく描出する検査です。放射線を使わず体への負担が少ないのが利点で、膵管の拡張や狭窄(きょうさく)、胆管との関係などを立体的に把握することができます。膵臓がんの早期サインのひとつである「主膵管の拡張」を捉えるのに特に優れており、CTや腹部エコーと組み合わせることで診断精度をさらに高めることができます。


リスクのある方にはEUSの定期受診をお勧めします

前述のようなリスク因子をお持ちの方や、腹部エコーで膵臓が十分に観察できなかった方、膵管の拡張や嚢胞性病変を指摘されたことがある方には、EUSによる定期的な精密検査を受けることをお勧めします。
EUSは消化器内視鏡専門の医療機関で受けることができます。「腹部エコーで異常なし」と言われた場合でも、EUSを受けることでより詳細な評価が可能です。気になる症状やリスク因子がある場合は、ぜひ医師にご相談ください。


まとめ

膵臓がんは「進行が早い」のと同時に「症状が出にくく見つかりにくい」がんです。そのため、発見された時点で進行しているケースが多くなります。
しかし、体重減少や血糖値の変化、持続する腹部や背中の痛みなどの小さなサインに気づくことや、EUS・MRCPといった精密検査を適切に活用することで、早期に見つかる可能性が高まります。
膵臓がんは怖い病気ではありますが、「気づくきっかけを知ること」と「適切な検査を受けること」が早期発見の第一歩です。日常の体調変化を軽視せず、気になる症状があれば早めに医療機関へ相談することが大切です。

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